「自分が何を感じているのか分からない」
「嬉しいも悲しいも、感情が浅い気がする」
そんな感覚になることはありませんか。
特に、HSP気質があったり、
アダルトチルドレン(AC)傾向のある方は、
感情そのものを感じにくくなっていることに、心当たりはないでしょうか。
もしかしたらそれは、
「怒り」を抑えてきたことと
関係しているかもしれません。
「感情の井戸」という考え方
精神科医の泉谷閑示さんの著書、『「普通がいい」という病』では、
感情を「井戸」のような構造としてとらえる考え方をお話しされています。
喜怒哀楽といった感情は、
井戸の中に、縦に重なって存在している、というイメージです。
この井戸のいちばん上にある感情が、「怒り」だとされています。
「怒り」の下には「哀しみ」、
そしてその下に、「喜び」、「楽しみ」という順番です。
ネガティブな感情の下に、ポジティブな感情があるのです。
怒りを出さないようにすると、
その下にある感情も出せなくなってしまいます。
怒りは「二次感情」
そして、もうひとつ大切な視点があります。
怒りは心理学で「二次感情」と呼ばれ、
その奥には、悲しみ、不安、寂しさといった、
より根源的な「一次感情」が隠されている、ということです。
「本当は大切にしてほしかった」
「分かってほしかった」
といった、とても大切な本音も、怒りの下に眠っています。
人は一次感情を直接表現するのが難しいため、
それを隠すように「怒り」という形で表面化させることがあり、
怒りを抑えてしまうと、
その奥にある「本当の気持ち」には辿り着けなくなってしまいます。
HSP・ACの人は、怒りを押し込めやすい
HSPやACの人は、
無意識のうちに怒りを抑える癖がついていることが多いように感じます。
- 怒ったら嫌われる
- 空気を壊してしまう
- 自分が我慢すれば丸く収まる
そんな経験を重ねる中で、
怒りは「出してはいけない感情」「危険なもの」
として学習してきたのかもしれません。
だから、怒りを感じる前に、
気づかないうちに押し込めてしまう。
でもその結果、
怒りだけでなく、寂しさや喜びの感情まで
一緒に感じられなくなってしまうことがあります。
怒り=攻撃、ではない
怒りを感じることは、
怒鳴ったり相手を責めたり、
誰かを攻撃することとイコールではありません。
感じた怒りを、外に出さなくても、
・ノートやスマホのメモに、そのままの言葉で書く
(きれいな文章にしなくていい)
・「本当は何が嫌だった?」と、自分に問いかけてみる
・怒りの奥にある感情に名前をつけてみる
(悲しかった/寂しかった/怖かった、など)
こんなふうに、自分の中で受け止めて、
自分が自分の味方になってあげてください。
怒りは、
「これ以上傷つきたくない」
「私はここに線を引きたい」
という、自分を大切にするためのサインでもあります。
「本当は嫌だった」
「傷ついた」
と、自分の中で認めてあげるだけでも、
井戸のフタは少しずつ緩んでいきます。
感情が出てこないと感じている人へ
もし今、
何も感じられない
感情が分からない
そんな状態にあるとしたら。
それは、あなたの心が冷たいからではなく、
怒りを一生懸命しまってきた証なのかもしれません。
怒りを感じられるようになることは、
わがままになることでも、
人を困らせることでもありません。
それは、
自分の感情をひとつひとつ大事にしていくこと。
押し込めてきた気持ちに、
「ここにいていいよ」と言ってあげることなのだと思います。

